ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 そして最後の授業が終わり、担任のホームルームも、あっという間に終わった。


「彩ちゃん、私……怖くなっちゃった」


 泣きそうな顔のちいちゃん。人生初の告白だもの、無理もないよね……


「大丈夫だよ、絶対にうまく行くから」


「なんで絶対なんて言えるの?」


 はあ?

 “だってあんた、中野君に1回告られてるじゃん”というツッコミの言葉が、喉元まで出かかった。


 ああ、あれは同情で言われたって、ちいちゃんは思ってるんだよね……


「私には分かるの。ほら、早く行かないと。告る時は相手を待たせない事。それが鉄則よ?」


「うん。後で結果を知らせるね」


「うん、教えて?」


 あまり聞きたくないけど……


 ちいちゃんは、何歩か行き掛けてからピタッと止まり、くるりと私を振り返った。


 どうしたのかな、と思っていたら、


「彩ちゃんも頑張ってね!」


 と言った。


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