ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 はあー?

 私は心の中で盛大なため息をつきつつ、でも


「わかったから、早く行って?」


 と言い、手をヒラヒラと振った。


 元気に頷き、小走りに教室を出て行くちいちゃんの後ろ姿を見ながら、どういう事だろうと、私は首を捻ってしまった。


 ちいちゃん。私に、何をどう頑張れというの? もしかして、皮肉?


 ううん、ちいちゃんはそんな子じゃない。


 じゃあ、いったい……ああ、そうか。修平かあ。


 昨日、私が彼にベタベタしてたから、ちいちゃんは私が修平を好きになったって、勘違いをしたんだわ。


 そうだったら、八方丸く納まるかもだけどね……


 それは無理だよ、ちいちゃん。

 私、当分は中野君を忘れられそうにないもん。当分どころか、一生かも……


< 278 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop