ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 私は急遽ハサミを持ち替え、自分の腿の上に構えた。もしこの男が私に触ろうとしたら、手を振り下ろすまでよ。


「バカ、やめろって!」


 そう言って男は手を伸ばして来た。私は目をつぶり、手を振り下ろした……



 脚の痛みを覚悟したけど、あれ? 痛みがない。

 痛みって、後から来るものなのかな?

 おそるおそる目を開けたら、男が顔をしかめていた。なんで?


「痛え……」


 え?

 ハサミを見たら、刺さっていた。でも私の脚にではなく、男の手の平に。

 ちょうど私の脚を庇うようにして、男の手の平にハサミが突き刺さっていた。


「た、たっちゃん!?」


< 368 / 417 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop