ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
 たっちゃんはハサミを手の平から抜くと、「痛え痛え」と言いながら立ち上がった。


「ど、どこへ行くの!?」


「下。救急箱」


 あ、そうか。

 私はたっちゃんの後を追うように、下の階へ降りた。

 うわあ、私、大変な事しちゃったよ。どうしよう……


 たっちゃんは「痛え痛え」と言いながら、棚から救急箱を降ろした。


「私がやります!」


「お、おお。しかし痛えなあ……」


「ごめんなさい。本当にごめんなさい」


 私は脱脂綿で血を拭きながら、消毒液でたっちゃんの傷を洗った。何度も何度も謝りながら。


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