ブスになりたい女 〜高飛車美少女 VS 秀才クール男子〜
「ち、違うよ。私の障害罪。正当防衛にはならないかなあ」


「だから、そんな大げさに考えるなっつうの。ただのかすり傷なんだから」


「そうなの?」


「ああ。傷を見ただろ?」


「見ないようにしてたんだもん」


「そっか。しかしあんた、おもしろい女だな?」


「なに、それ……」


「しかも、いい女だ」


「ふざけないで」


「うわ、その言葉は言わないでくれ。耳にこびりついて、悪い夢見そう」


「ふざけ……あ、ごめんなさい」


 たっちゃんも私も、顔を見合わせて笑ってしまった。

 でも、あの騒ぎはなんだったんだろう?

 私の頭の中は、クエスチョンマークでいっぱいだった。


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