あの頃、テレフォンボックスで
「トーコさん、こないだの映画観て泣けた?」
「え?あ、ああ『ダディ フライ ダディ』ね?
そうね、ところどころ胸にグッときたわ。
同じ高校生を持つ親としてね。」
・・・・・それより夫に観せたい映画だわ、
言いかけて止める。
夫は娘や家族のために
何かを捨てたりするのかしら?
「ケイタが選んだのね?
もう1本は『今を生きる』だったわね。
ケイタが泣く映画か・・・」
「俺、情に訴えるようなのに
弱いんだなぁ・・・・
いつも聞こうと思って聞けなかったんだけど、
トーコさんの好きな映画って
どんなの?」
「私の好きな映画・・・・
そうね、男の人にとったら
辛気臭いような映画が好きよ。
やっぱり恋愛もの。
愛して、愛して、愛して・・・
愛しすぎるあまり・・・
相手を追い詰めてしまったり
幸せすぎて
その先がこわくなり
自分から何もかも壊してしまうような
そんな映画が好きなの。」
「へ~、情熱的だなぁ。
ね、今から借りに行こうよ
で、俺の部屋で観るっていうのはどう?」
ケイタの部屋で?
それは無理よ。
そう返事をする間もなく、
さっさとレジを済ませて
店を出てゆくケイタ。
地下の駐車場へ行き
二人して車に乗り込んだ。
「え?あ、ああ『ダディ フライ ダディ』ね?
そうね、ところどころ胸にグッときたわ。
同じ高校生を持つ親としてね。」
・・・・・それより夫に観せたい映画だわ、
言いかけて止める。
夫は娘や家族のために
何かを捨てたりするのかしら?
「ケイタが選んだのね?
もう1本は『今を生きる』だったわね。
ケイタが泣く映画か・・・」
「俺、情に訴えるようなのに
弱いんだなぁ・・・・
いつも聞こうと思って聞けなかったんだけど、
トーコさんの好きな映画って
どんなの?」
「私の好きな映画・・・・
そうね、男の人にとったら
辛気臭いような映画が好きよ。
やっぱり恋愛もの。
愛して、愛して、愛して・・・
愛しすぎるあまり・・・
相手を追い詰めてしまったり
幸せすぎて
その先がこわくなり
自分から何もかも壊してしまうような
そんな映画が好きなの。」
「へ~、情熱的だなぁ。
ね、今から借りに行こうよ
で、俺の部屋で観るっていうのはどう?」
ケイタの部屋で?
それは無理よ。
そう返事をする間もなく、
さっさとレジを済ませて
店を出てゆくケイタ。
地下の駐車場へ行き
二人して車に乗り込んだ。