あの頃、テレフォンボックスで
未来(みらい)へ・・・・
あの頃・・・・
私はまだ大学生で・・・

もうすぐ卒業式、という頃に
未来(みく)が生まれた。


誰もが若い、と言った。
友達はみんな
「本当に生んじゃっていいの?」と。


私は、
新しい
自分の家族について、

私が作っていく
家族というものについて、
不安を感じると同時に
そこに
希望を見出そうとしていた。


・・・・未来(みく)・・・・・



私たちの輝かしい
未来(みらい)を想って
そう名づけたのだ。



いつのころからか・・・・
未来は一人で歩き出し・・・
私の手から
逃げてしまった。



ひとり残された私は、
この先行く道が
わからなくて・・・・



なぜ、
ここにいるのかさえ
わからなくなって・・・・・


だけど、今は違う。
私はここにいるのだ。


私は・・・・

私の人生を生きるために。
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