わたしは女の子になる。
「んー、俺の家そんな面白いものないからなぁ…」
お互いの卒業アルバムを見た後に彼が呟く。
私は、君と一緒にいられるだけでいいんですけどね。
「…あ、なんか学校の奴が作った自主製作のDVDならあるけどー」
「え、なんか面白そう〜見たい見たい!」
「じゃあ、部屋にあるから、取ってくるよ」
「お部屋! 行きたい!」
「えー……」
「行きたい!」
嫌そうな顔をしたものの、ため息をつきつつ、私を部屋まで連れて行ってくれた。
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「……汚い!!!!」
「ちげーよ! 教科書のせいだし!! これでも片付けたんだからなー!」
私の発言に、彼が拗ねたように言い返す。
連れてきてもらった彼の部屋は、床の半分以上が積み上げられた教科書と参考書に埋め尽くされていた。
まあ、私の部屋も人の事言えないくらい、教科書とか、模試の問題用紙とかでいっぱいなんだけどね。
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