わたしは女の子になる。
「……わかった、じゃあ、何がダメかだけ教えて?」
「……教えれません。」
言えるわけ、ないじゃないですか。
私の言葉を聞いて、むう、と考え込む彼。
「じゃあ、一緒に見よう?」
「いやです」
彼の折衷案も、速攻で拒否。
そんな、やさしく言ったって、折れたりなんかしないんだから。
しばらく、私と彼の、見せる、見せない、の押し問答が続いた。
両者、一歩も退きません。
こんな時、結局折れるのは私のほうで。
「…じゃあ、ファイルだけね?」
「よっしゃ」
彼、ガッツポーズ。
どちらかと言うと、見られたくないのはスケジュール帳のほうなので、ファイルの中を見られる辱めは甘んじて受け止めます。
彼の興味がファイルにあるうちに、急いでスケジュール帳を鞄に戻す。
私自身、ファイルに何が入っているか把握しきれていないのだけれども。
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