わたしは女の子になる。

「あ、これ、お菓子」


バッグから、持ってきたお菓子を取り出して彼に渡す。
ちなみに余ったお菓子もおやつ用に持ってきてます。


「お、やったー! ありがとうございまーす」


嬉しそうに笑って、両手で丁寧に箱を受け取る。


「あと、これ、お母さんにもあげて?」


お母さん用のお菓子もついでに渡す。


「え、わざわざごめん」

「中身ほとんど一緒だけどねー」

「え、ちょっと違うの?」


「お母さんのはタルトだけだよー、あなたの分はマカロンとクッキーもどきが入ってるけど」


「え、なにそれ、俺だけ特別的な?」

「あ、違います」


嬉しそうに聞いた彼に即答。


「てんめぇー」


笑う。
いつもの感じ。



「マカロンちょっと失敗しちゃったから、お母さんにあげるわけにいかないもん」

「俺はいいのね」

「うん」


苦笑いする彼にそう返した。味には問題ないですから。多分。



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