わたしは女の子になる。

「ん、てか卒アルみたいー! そーつーあーるぅー」

「そっか、卒アル見せてればコイツ黙るのか」

私の言葉を聞いてそういった彼は、階段を上って部屋に卒業アルバムを取りに行った。

ていうか私、そんなにうるさくしてなかったと思うんですが。


「はい、じゃあこれ見て大人しくしててね」

まるで子供におもちゃを与えるかのように彼が言う。
とことん子供扱いされている気がする。

「はあい」

彼から卒業アルバムを受け取って、ページを開く。

自分の学校とは違うアルバム。


「なんか紙質しょぼい!!」

「だって俺らの学校の卒アル3000円くらいだぜ?」

「それってどうなの?」

「超安いよー。ほかの学校とか何万とかだもん」

「それは…しょぼいね」

「でしょー? はい、ミルクティーです」

彼が私の前にミルクティーを置いてくれる。

「やったー! ミルクティーすきー」

「うん、知ってる」


微笑みながら彼が言う。



……相変わらず、君の笑顔は殺傷能力が高いですね。


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