わたしは女の子になる。

「クラスはねー」

「覚えてるー、7組でしょ?」

「よくわかったね」

「前言ってたじゃん」

「そうだっけ?」

ページをめくると、彼のクラスのページにたどり着く。

彼の学校の卒業アルバムには、個人写真はなくて、クラスの集合写真と、クラスの子が作ったページがあるだけだった。

集合写真は出席番号順に並んでいて、彼は番号が早いから最前列。

集合写真の一番前の列って、何となく背の低い子が来るイメージがあるから、背の高い彼が最前列にいるのがなんとなく面白かった。


「クラスに可愛い子とかいなかったの?」

なんて、聞いてみる。

実際に、彼から『この子が可愛くてね〜』なんて言われたら、落ち込むのは自分なのに。

「うちのクラス〜? うちのクラスは、学年1のハズレクラスと言われてたからなー…」

私の思いを知ってか知らずか、彼はそういった。



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