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諦める事に慣れた私は、うぬぼれて、のめりこむ前でよかったと、安心してしまった。
大丈夫、私はまだ、普通を装える。
陣君は友達だと、まだ割り切れる位置にいる。
「そうか、良いなぁ」
「みあっちにも、良い人が現れるよ」
「あ、それじゃ、私、陣君の彼女に殺されちゃう!」
「問題ないよー。みあっちは友達だもん」
友達、だ。
それでも、良いかもしれない。
私は、彼女になりたいなんて、欲張りは言わないから。
陣君、私、貴方の隣にいても良い?
私は、貴方の隣にいられるだけで、十分だから。
「今日は、ご馳走様」
「いえ、こちらこそ、有難う。また今度一緒に食べよう」
「うん」
私は、陣君が好きだ。
彼女になりたいと、欲張りは言わない。
ただ、友達としてでも、隣にいたい。
友達だとしても、特別仲の良い、友達になりたい。
月曜日。
授業前の休み時間、私はひゅかに、事の顛末を説明した。
「えっ!王子、彼女いるのっ?」
「うん、いるんだって」
ひゅかは訝しげに、眉をひそめた。
「みあ、なんで、そんなに平気そうなの?」
「え?」
「だって、すなわち、失恋でしょ?」
確かに、好きな人に彼女がいることがわかったら、失恋なのだろう。
だけど、私は苦笑した。