抵抗軍物語 ディスティニーズクロス
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その頃、美都は優奈に頼まれていた通り、店の外に暖簾を掛けていた。
同時刻にして、一つの足音がまだどの店も開店準備中の商店街内に響き渡る。
そして暖簾を掛けている最中で、公道に対して背中を向けている美都の少し後ろで、その足音は止まった。
美都はそれに気付いていたのか、足元が自分の背後で止まると、
「そろそろ来ると思ってたよ。」
そう言い後ろを振り向いた。
そこにいたのは、優奈と同年代と思われる一人の少年。
肩に少しつくくらいの長さの深紅の髪に、鋭い黄色の眼。
整った凛々しい顔立ちの美少年。
すると彼も美都の顔を見てから、
「久しぶりだな。美都姉。」
ニコッと白い歯を見せて微笑んでみせた。
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「まぁまぁ、そんな所に突っ立ってないで、とりあえず中に入った入った。」
一方、店の前にいる美都は、先程来た少年を中へ誘導していた。
「おお。…つってか、なんか緊張してきたんだけど…」
しかし彼はそう言って、長々中に入ろうとしない。
「何言ってんだか。ここは『元』アンタの家みたいな物じゃない。ほらほら。」
美都はもどかしくなったのかそう言うと彼の後ろに回り、彼の背中を軽く押す。
「…へへっ。ありがとな。じゃ、お邪魔します!」
すると彼はどこか懐かしみを帯びたような表情で、玄関へと入っていった。