抵抗軍物語 ディスティニーズクロス
一方その頃…
仕事の休憩時間中、美都は一目を避けるかのように建物と建物の間にある小さな隙間に隠れ、誰かに電話をかけていた。
プルルル…と呼び出しのコールが三回くらい鳴ってから、美都は話しはじめる。
「もしもし、私よ。美都。久しぶりね。」
楽しそうに電話をする美都。
電話の相手とは、どうやら親しい間柄らしい。
「それより…前に言ってた話なんだけど…。…ほら、光郎の義理の娘の…」
美都はそう言うと、少しの間黙り込む。
そしてしばらくしてから、声色を変えてこう言った。
「…何かと面倒な子かもしれないけど、根はいい子だからさ。向こうも会うくらいならいいって言ってくれたから、明日にでも来てくれない?何なら…
持ち帰ってくれてもいいけど?」
美都の黒い瞳が、怪しく光る。
その後、「可愛い子だからきっと気に入ると思う!」と続け、それからもしばらく話をし続け電話を切った。
「さて…そろそろおでましかな?正義のヒーローの。」
既に日は沈み、白く輝く三日月が燐塊町の路地裏を、ネオンの光と共に照らしている頃の事。
それは、優奈の仕事が始まる時間帯でもあった。
そして今、美都が電話で話しているこの相手こそが、優奈の運命を大きく変える人物になる…
そう美都は予感していた。