time ~戻れない時間~

彼が泣くなんて思いもしなかった。
絶対に弱さなんか見せないし、負けず嫌いの春二。

「俺、どうしたらいいん…俺にキャプテンの資格なんかない。俺は、弱いんだ。強い振りしてほんとは強がってるだけ」

私は、ぽんぽんと彼の背中を叩いた。
人間、誰だって弱いところがあるんだ…。

私はどうして彼の弱さに気付いてあげられなかったのだろう。
ずっと一緒にいるのに…。

私は、悔しくなった。春二を力強く抱き締めた。
彼を支えよう。私だけでも彼の痛みをわかってあげたい…
告白してきたとき春二は私にこう言った。

“嬉しいことは二倍、悲しいことは半分”
彼はそう言ってくれたのに…。

私は…………
彼の痛みに気付いてあげられなかった。
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