純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「申し訳ございません。新婦様に連絡がつきませんでした。
木本様、どうしましょう。もうお日にちがないので、とりあえずキャンセルされますか? 後3日で、キャンセル料が50%に跳ね上がります。
新婦様は、もしかしたらマリッジブルーかもしれませんし、それなら、落ち着かれたらまた上手くいくかもしれませんよ? その時改めてご予約されては?」
そんなことは絶対にないと思いつつ、何とかこの場を……と思う。
無理矢理作ったぎこちない笑顔で、やっとのことでそう言うと、深刻な顔をした木本様がうなだれてしまう。
あぁ、どうする?
式のキャンセルの経験は、一度だけある。
けれど、それは新婦が妊娠して、悪阻が酷くて……という理由。そして、そのカップルは、出産を経てから再び式を挙げる手はずになっている。
こんな経験は、初めて。
結婚自体が無くなるという経験は。