純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
謙虚すぎるくらいのお二人の願いなら、なんとかしてあげたいというのが人情っていうもの。
「できればでいいんですけど……」
何度も何度もそう言うお二人は、ずっと申し訳なさそうにしている。
もっと我儘放題の客はいくらでもいるのに。
「すいません。旅行代理店に掛け合ってみますので、少しお待ちいただけますか?」
そんなことを口にしながら、胃がキリキリと痛むのを感じていた。
自分のデスクにいったん戻って、電話に手をかける。
短縮になっているボタンを一つ押せば、そこにつながる。
チラッと壁の時計を見ると11時。
外回りに出ていないだろうか。できれば別の人が調べてくれればいいのに。
そうはいっても、これは仕事だ。
私は仕方なく受話器を取った。