純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
それでも仕事は精一杯した。
私にはもうこれしかないから。
「いらっしゃいませ」
新しく来た新規の顧客も、がっちり捉まえる。
「お幸せそうで、うらやましいです。ぜひ、最高の式にしましょう」
そんな風に笑って言える自分が、なんとなく嫌だと思う。
「おい、安永。そんなに急ぐな。ゆっくりやれ」
そう言われてハッと気づいた。
いつもにはないほどのスピードで、話を纏めている自分に。
普通ならもっと二人の心情や馴れ初めなんかを聞き出して、それに沿ったプランを提案して……。
けれど、今日は違う。
獲物を狙った鷲のように、鋭いくちばして二人を捉えて離さないように……。