純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
電車に乗り込むと、窓に反射して写る自分の姿。その隣に彼。
けれど、周りにいるすべての人が、あの手紙の差出人のような錯覚を覚えて、手に汗握る。
駅で止まるたび、揺れる車内。そして、その度に隣の人の体が少し触れるだけで、息をのむ。
「こっちに来い」
彼が私の腰に手をまわして、一番隅に私を誘導してくれたのは、そんな私に気がついたからかもしれない。
彼の降りる駅は、もっと先なはずだけれど、やっぱり一緒に降りてくれる。
「すいません」
「いいから。気にするな」
私と肩を並べるように、ゆっくり進んでくれる。仕事のときには、私が小走りにならないと追いつかないというのに。