純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
午前中は、新規のお客様の対応に追われた。
“ちょっと見に来てみた”というお客様を落とせるかどうかは、最初の印象でかなり決まると思っている。
最初、真奈美ちゃんが対応していたお客様。
けれど、どう見ても満足そうには見えなくて……。
悪いとは思ったけれど、途中で割って入る。
どうも、お客様が不安に思っていることと、真奈美ちゃんの提案がかみ合っていない。
「お客様、大丈夫ですよ。私共はできるだけご要望にお応えできるように、体制を整えます。えっと……遠方からのお客様の宿泊についててすよね。それもこちらで手配いたします」
「安永さん」
耳元で真奈美ちゃんがそう囁く。
本来、ホテルではない我が社が、そこまでする必要はないのかもしれない。けれど、それがお客様の希望なら、二つ返事で引き受けなければ。