純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「ありがとうございました」
45度に頭を下げて、お見送りする。
すぐにデスクに戻ると、真奈美ちゃんが追いかけてきた。
「安永さん、あれは私たちの仕事ではないですよね」
「そうかしら。私たちはトータルプランナーなの。お客様の希望なら、全力を尽くすのが仕事」
「でも……」
「まずはやってみることよ」
そんなに難しいことじゃない。わが社にとって利益の上がらない仕事かもしれない。それでも……。
「川上、安永の言うとおりだ。お客様の要望はできるだけ努力すべきだ」
デスクでパソコンを打っていた桐生さんが、口を挟む。
「だけど、安永さんが大変なときは、いつも桐生さんが助けるでしょ? でも、私たちは違うじゃないですか」
「えっ……」
そんな風に考えたことがなかったから、ハッと驚く。