純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「それは、安永がダメなら、もうそれ以上は無理だと思うからだ。川上たちのレベルなら、他の誰が入っても何とかなる。今回の件でも、何とかなるはずだ」
「それは……」
「それに、さっきの会話でお前は何をつかんだ? 安永はたくさん情報を仕入れたはずだ」
そう言って、私が持っていた走り書きのメモを取り上げる。
「新郎新婦の出会いはどこだ?」
「えっと……確か……大学のサークルで」
「何のサークルだ?」
「えっ、そこまでは……」
「そこまで聞くのが俺たちの仕事だ。それをもとに、いい式や披露宴ができるかどうかは決まる」
「そんなこと、関係あるんですか?」
「川上、お前、安永について何を学んできたんだ」
桐生さんの言葉は、厳しいものだったかもしれない。けれど、プロである私たちはそこまで求められるんだと思う。