純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「そんなの酷い。私だって一生懸命やってきました。もういいです。私、辞めます」
「ちょっと、真奈美ちゃん」
そんな一言を残して、半分泣きながら部屋を出て行った。
「桐生さん、あのっ……」
私が手を出したからだろうか。そうでなければ彼女は……。
だけど、あの時そうしなければ、あのお客様はうちでは……。
「お前は間違ってない。川上の気持ちが甘い。だけど、安永もそういうポジションなんだ」
桐生さんが言わんとすることが、なんとなく分かった気がする。
全部自分でやることは簡単だ。
けれど、それでは後輩は育たない。