純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「安永、ちょっと席を外すな」
携帯をチラッと見せて、そう立ち上がった桐生さん。
急ぎの電話でもあったのかもしれない。
この時の私は、ただ、ドレスに見惚れて、すべてを忘れていた。
そう。あの男の存在さえも。
暫くして、隣に人の気配。
桐生さんが戻ってきたと思った。だけど、私はすぐに凍りついた。
「安永さん。どうして電話くれないんですか?」
それは、木本だった。
「どうしてって……あの……」
「どうしてですか?」
まずい。このままでは周りに迷惑がかかる。
こんなに素敵なショーを台無しにしたくない。
「少し、出ましょうか」
「そうですね。僕も、二人でお話ししたいです」
震える体をたしなめるように、ぐっとお腹に力を入れる。