純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「桐生さん!」
木本が離れた隙に、大声を張り上げる。
「安永?」
その声と同時にドアが開いて……。
「お前、何してる!」
駆け寄ってきた桐生さんは、胸ぐらをつかんて立ち上がらせると、思いっきり一発殴った。
吹っ飛んだ木本を、騒ぎを聞きつけてきたホテルの関係者が、取り囲む。
「安永、お前……」
私のところで膝をついた彼が、首にそっと手を伸ばす。
「そいつは、結婚詐欺だ。捕まえてくれ」
桐生さんの背中越しに、木本の声が聞こえる。
「安永、苦しくないか?」
そんな声も聞こえなかったように、私の首をそっと撫でる彼。
手形でもついてしまったのだろうか。
私が小さく頷くと、今度はゆっくり振り返った。