純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

やがて、数人に抱えられるように、木本が部屋を出て行ったとき、桐生さんはポケットからハンカチを出して私の首にそっと巻いた。


「すいません。少し二人にしてください」


心配そうに見守るスタッフにそう声をかけた桐生さん。
バタンとドアが閉まって2人になった瞬間、彼が私を抱き締めた。


「無事で、良かった」

「桐生さん……」


やっと涙が零れた。
怖くて仕方なかったのに、それを流すことさえ忘れていた。


「本当にすまない。守ってやるなんて言っておいて」


私は小さく首を振った。
悪いのは私。


「桐生さん、怖かったです」

「あぁ。俺も怖かった。お前が死んじまったら……と思ったら、頭が真っ白になった」


そう言いながら、私を抱き寄せる手に力を込めた。



< 239 / 311 >

この作品をシェア

pagetop