純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
やがて、数人に抱えられるように、木本が部屋を出て行ったとき、桐生さんはポケットからハンカチを出して私の首にそっと巻いた。
「すいません。少し二人にしてください」
心配そうに見守るスタッフにそう声をかけた桐生さん。
バタンとドアが閉まって2人になった瞬間、彼が私を抱き締めた。
「無事で、良かった」
「桐生さん……」
やっと涙が零れた。
怖くて仕方なかったのに、それを流すことさえ忘れていた。
「本当にすまない。守ってやるなんて言っておいて」
私は小さく首を振った。
悪いのは私。
「桐生さん、怖かったです」
「あぁ。俺も怖かった。お前が死んじまったら……と思ったら、頭が真っ白になった」
そう言いながら、私を抱き寄せる手に力を込めた。