純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「良かったのか、病院」
「はい。大丈夫です」
警察が到着した時、すぐさま病院へと言われた。
けれど、それを頑なに拒否したんだ。独りになりたくなくて。
会社に電話を入れて事情を説明した彼は、私を自分の部屋に連れて行ってくれた。
「コーヒー、飲めるか?」
「はい」
彼が出してくれた熱いそれを一口ゴクリと飲んだとき、喉を走るピリッとした痛み。
いや、実際は痛いのではない。思い出したのだ。
思わず手をやった私を見て、首に巻いていたハンカチを彼が取り去る。
細くて長い手が、私の首にまとわりつくように触れて……。
息が止まってしまいそうだった。彼の揺れる瞳を見て。
「安永……」
「はい」
「――なんでも、ない」