純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
教会の前でタクシーを降りて、バタバタと駈け込む。
「桐生さん!」
思った通り、控室で一人で仕事をしていた。
「うるさいぞ。たく、なんだよいきなり」
「ちょっと! 仕事を辞めるって、どういう事ですか!」
「地獄耳だな、純悪女」
それを否定しない彼に、胸がズキンと痛んで。
「なんで、なんで辞めたりするんですか……」
彼に詰め寄ってそう言うと、作業していた手を止めて私に顔を向ける。
「勘違いするな。俺は、スカウトされてるの。前から来てほしいって言われてるところがあって、そこに行くことにしただけ」
「じゃあ、どうしてこのタイミングなんですか」
私のその質問には答えることなく、再び作業を始めた。