純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「桐生、さん!」
もう一度詰め寄ると、クルッと振り向いた彼は突然私の手を取って、教会の中へと足を進めた。
バージンロートの真ん中で私の手を離した彼。
ふーっと大きく息を吐いて口を開く。
「俺、前に結婚を考えた女がいたんだ。婚約もした。だけど……ダメになった」
「えっ……」
正面、真ん中にある十字架を見上げながら、そう言う彼に驚いた。
「女の方に、男ができた。
年収は俺の倍。急成長しているベンチャー企業の社長職にある人だった。
世の中、金なんだと思い知らされたよ。
だから、もう女はいらないと、ずっと思ってた」
彼の突然の告白に、言葉も出ない。