純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

「崖っぷちから落ちちゃったじゃん」

「はっ?」

「だから、もう30になっちゃったの!
勝手にいなくなるし、遅いよ!」


そう言いながらも、彼女の瞳からは涙が溢れ出していて。

そういえば、先月が誕生日だったはずだ。
そういう事か。アイツ、意外と俺の言葉を気にしていたんだな。



「ったく。いつまでたっても手がかかるな。
俺が崖の下から引き揚げてやるから」


そう言いながら、無理矢理彼女の左手を取って指輪を入れる。
その細く白い指に。


「桐生、さん。えっ、これ?」

「お前、ずっとここのがいいって言ってただろ。一つ夢を叶えてやったぞ」


恩着せがましくそう言いながら彼女に差し入れたその指輪は、ローズパレスで盛んに欲しいと言っていたものだ。

「そんなこと、くれるヤツが見つかってから言え」と散々罵ってきたけれど、それが自分になったのはうれしい誤算なのかもしれない。


アイツのそんな言葉を思い出して、それをこの出張で手に入れてきた。







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