純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
けれど、桐生さんはお客様に最高の式を挙げていただくために、奔走する人だ。
ただし、誰でもかれでもというわけではない。
本当に助けが必要だと思う人だけ。
彼のそんな行動に驚いたのは、私だけではなかった。
当の二人もひどく驚いて、「散々頑張ったけれど、無理だった」と両親の説得に尻込みした。
「安永、手伝え」
私たちは、彼の育った施設や働いていた工場に出かけた。
それは、私も桐生さんも早番のときの時間外の行動だった。
そこで聞いた話は、彼の誠実さを裏付けるものばかりだった。
施設では、小さい子の面倒を率先してみて、成績優秀。
それでも、金銭的なことで高校には進学せず、働いて……。
工場でも、その真面目な仕事ぶりは多くの人に評価されていて、駆け落ちして辞めてしまったことを惜しむ声ばかりだった。