純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「お前、結婚しないのか?」
「えっ?」
思いがけない言葉に、ハッと桐生さんの顔を見る。
「あぁ、そうか。もらってもらえないってとこか」
「はーっ? 失礼ですから」
結局二人で太田様のところに行くことになって、歩には断りのメールを入れた。
その返事は、"別にいいよ"だ。
仕事の時、こういってもらえるとホッとする反面、寂しくもある。
会えないことを、別に構わないと言われてしまうことに。
職場では時々顔を合わせても、やっぱり二人だけでもっと会いたい。
彼には会いたい時だけ会って、あとは互いに自由にするという、束縛しすぎない付き合いを望んでいると思われているようだけれど、それは歩に合わせているだけで、本当は違う。
もっと彼に我儘を言いたいし、言われたい。
車は太田様の家の前に到着した。
私達が施設の人や工場の人たちに会ってきたことを話すと、ふたりはとても驚いた様子だった。
そして、皆が応援してくれていることを知って、目を潤ませた。
そのあと、他愛もない会話に両親の話を織り交ぜてする桐生さんのテクニックは、流石だった。
少しずつ、二人の間にも、両親にも祝福してもらいたいという気持ちが膨らんできたように思う。