純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
玄関のチャイムにドアを開けると、いきなりのキス。
「ただいま、梓」
「おかえりなさい」
今のキス、胸がキュンとしちゃった。
こんな風に歩を玄関で出迎えるのも悪くないなんて、ちょっと思ってしまう。
「いい匂いじゃん」
玄関を入ると右手にリビングとキッチンがある。
キッチンは広くはないけれど、リビングは私の自慢。
八畳ほどの広さのリビングは南向きで窓が大きく、昼間は日光が燦々と降り注ぐ。
そのリビングの隅に置かれているソファの横の定位置にバッグを置いた彼は、左手にある寝室にしている小さめの洋室で、当たり前のように着替える。
新婚みたい。
時々泊まっていく彼は、一通りのものを私の部屋にも置いていて、すぐにTシャツとジーンズで出てきた。
「疲れてるのに、悪いな」
「いいのよ。歩こそ、お疲れ様」
長めに煮込んだビーフシチューを前に、赤ワインを開ける。
「んー、美味い」
歩がビーフシチューを頬張りながら私の料理を褒めてくれるから少し照れる。
こんなのもいいな。
結婚したら、こんな風に好きな人と毎日を過ごして……。
休みが合わなくたって、こうして同じ部屋に帰ってくる――。それはとても魅力的だ。