待ち合わせのバス停で。



『梨花、帰り一緒に帰ろうぜ』


『え、冬とあたし学校違うから無理でしょ』


『俺が梨花の学校に迎えに行くよ』


『それも悪いよ。それもあたしバス通学だし…』


『じゃあ、バス停で待ち合わせしよぜ?バス停なら俺らの学校と中間だろ?

これで文句ねーだろ?』


『うん』


『梨花が帰る時間までバス停で話そうぜ!』


『うん!』




この日からあのバス停が2人のいつもの場所になった。


2人でベンチに座って何本もバスを見送って、お菓子を食べながらいろんな話をした。



放課後がいつも待ち遠しかった。




お菓子を買ったらいつも早歩きでバス停に向かった。



夏は暑いと言いながら、冬は寒いと言いながら、


でも、バス停のベンチから移動しようとはしなかった。


俺らにとってバス停はどんな場所よりも大好きな大切な場所だった。


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