待ち合わせのバス停で。
「俺の中では花梨はずっと…ずっと大好きな大切な人なんだよ」
そんな、あいつを過去にして前に進むことなんてできない。
「それじゃあ、花梨ちゃんが悲しむだけだぞ?」
花梨…。
「黄月が俺なことを想って言ってくれてるのは分かってる…でも、俺は花梨しか想えない」
「冬…死んだ人はもう戻ってこないんだぞ?」
「それでも、梨花が好きだから」
「……」
黄月はもう何も言わなかった。
きっと俺になにを言ってもダメだと分かったからだ。
「黄月…帰れ」
黄月は小さなため息をこぼしてゆっくり帰って行った。
「…黄月、ごめん」
黄月の小さくなっていく背中にポツリと呟いた。
梨花が死んで1番俺を心配してくれたのは黄月だった。
今までなにも言わなかったけど、ずっと不安な目で俺を監視していた。
梨花の後を追うんではないかと心配していた黄月。