待ち合わせのバス停で。
「なんでお前がここに…?」
黄月とはさっき教室で別れたばかり。
それに、黄月がここに来る理由はない。
「やっぱり…ここに来ると思った」
「…なんだよ。それよりお前電車通学だろ」
「お前が来ると思ったからここに来ただけだよ」
黄月はゆっくりベンチに座った。
「なぁ、桜。お前いつまで待つ気だよ」
「……」
「お前まだ分かってないのかよ」
俺を見る黄月の表情は悲しそうだ。
その表情に胸が痛む。
「黄月の言ってる意味が分からねー…」
「なぁ、…いつまで……いつまでそうやって現実から逃げるんだよ」
逃げる?
俺が?