移り気な男とワケあり少女の×××!

ひと仕事


自分の身の回りの世話をする小間使い、メイベルは実に愛らしい娘だ。
はっきりとした顔立ちで、結い上げられた栗毛は清潔感に溢れている。

貴族にとって使用人は「人」であり「人」ではない。
自分の着替えなどの時、裸を見られたとしても全く恥ずかしくなくいられるのはそのためだ。
だから、貴族が使用人に本気の恋愛をすることはご法度であり、あり得ないことでもある。
しかし、そんな常識が通用しないのがフリード坊ちゃまである。

朝、メイベルが自分を起こしにくると、その手を取って微笑んだ。

「やあ、メイベル。おはよう。」
「おはようございます、フリード様」

メイベルは顔を真っ赤にして、視線を外しつつ答える。
そんなメイベルの仕草にフリードは胸をときめかせた。
メイベルは恋人54人のうちの一人。
今日の「お気に入り」はメイベルに決定しそうだ。

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