移り気な男とワケあり少女の×××!

「メイベル、いつもありがとう。」

キラキラした笑顔で言われると、それだけで気が遠くなる。
メイベルはただ言葉を発せずに首を横に振り続けるだけだ。
メイベルは他の小間使いから嫉妬され、数々の陰湿な嫌がらせを受けている。
しかし、それもまぁいいか、と思ってしまうのだ。
フリード様のお側にいられるなら。

「早く着替えさせてくれ」
「申し訳ありません」

声が上ずってしまった。
メイベルは恥ずかしくて手で顔を覆ってしまった。
そんな姿もまた可愛いと思える。
フリードが更に追い討ちをかけようと、口を開いた瞬間、背後から刺すような視線が突き刺さった。

「…フリード様。」
「あー…、キイラ。いつから見ていた?」
「かなり前から。」

キイラはつり目を更につり上げて、フリードを睨む。
若き家令のキイラは、フリードの女癖の悪さをなんとかして直そうとしている。
特にこのメイベルのような小間使いなどにうつつを抜かしているようでは将来が危うい。

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