移り気な男とワケあり少女の×××!
ふわりとした栗毛、ぱっちり二重の大きい瞳、はっきりした目鼻立ちはメイベルそのものだ。
「私に恐ろしく似た人がなんだかしょんぼりしていたので、気になったんです。」
目の前の少女は心配そうに顔を歪める。
はじめて会う私を心配してくれるなんて、とメイベルは感動した。
「時間があれば、ちょっと話しませんか?」
だから、その少女の言葉に頷いてしまったのだろう。
普段のメイベルであれば絶対にしないことだった。
「嬉しい! じゃあ、うちにいらして下さい。ここの近くなんです。」
少女の身なりはとても綺麗だった。
派手ではないが、服も装飾品も、品がいいものを使っている。
貴族、ではないだろうがそれなりの生活をしているだろうことは想像できる。
(豪商の娘というのが妥当な線かしら。)
メイベルは案内する少女の背を見ながらそう思った。