紅梅サドン
玄関のドアが開いて、ルノーが汚れたタオルを持って戻って来た。


「ルノー、お前何してきたんだ?。」

「ここに来るまでの往復の電車賃渡して来た。

それから『次郎が嘘付いて悪かった』って謝って来た。

それにさ、あんなに臭うクリーム付けたまま、アイツら電車乗れないだろ?。」

ルノーはそう笑って、クリームだらけになった三本のタオルを僕に見せた。


「そういう優しさはーーお前らしいな」

僕がそう言うと、急にルノーは僕と雪子に向かって深々と頭を下げた。



「ありがとうございましたーーー。」



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