紅梅サドン
「俺の『るのう』って名前は死んだ母ちゃんが付けたんだ。
次郎の名前は父ちゃんが付けた。
ハイカラな名前の
『るのう』と、渋い日本男児っぽい『じろう』ってね。」
グラスの中でワインの赤い波が揺れる。
ルノーはじっとグラスを見つめていた。
「ーールノー、お前本当に自殺した両親を恨んでねえのか?
こんな事聞くの悪いと思うけどさ。
お前、一つも恨み事言わないからさ。
お前本当は、散々苦しんだんだろ、今までーー。」
ルノーはしばらくワインの波を見つめていたが、静かに微笑んで答えた。
「ーー恨んでなんて無いよ。そりゃあ、やっぱり相当辛かったけどさ。
息子の俺達が恨んでたら、あの世に安心して行けないだろ?
優しい父さんと母さんだったから。
一番苦しんだのは父さんと母さんの方だしさ。
俺達を道連れにしなかった。
俺はむしろ父さんと母さんを誇りに思ってる。
いや、分かってんだーー。
そんなのはただの綺麗事だって事。
でも俺は父さんと母さんが好きだったから。
人に騙されてばっかりで、事業にも失敗して。
嘘の一つも付けない父さんと母さんがさーー。
好きな人間は、いつまでも永遠に好きでいたいんだ。
いつまでも味方でいてやりたいの。
だから、かなり綺麗事かもしんないけど俺やめたの。
文句言って生きてくのはさ。それより楽しい事見つけた方が良いじゃん。
『明日は必ず来るんだ』って思うと楽しくなるだろ?
それに俺には次郎がいる。
世の中捨てたもんじゃ無いよ。
俺らみたいな兄弟を住まわせてくれた人間もいるんだし。
秋ジイーー、
いろいろありがとうな。」
次郎の名前は父ちゃんが付けた。
ハイカラな名前の
『るのう』と、渋い日本男児っぽい『じろう』ってね。」
グラスの中でワインの赤い波が揺れる。
ルノーはじっとグラスを見つめていた。
「ーールノー、お前本当に自殺した両親を恨んでねえのか?
こんな事聞くの悪いと思うけどさ。
お前、一つも恨み事言わないからさ。
お前本当は、散々苦しんだんだろ、今までーー。」
ルノーはしばらくワインの波を見つめていたが、静かに微笑んで答えた。
「ーー恨んでなんて無いよ。そりゃあ、やっぱり相当辛かったけどさ。
息子の俺達が恨んでたら、あの世に安心して行けないだろ?
優しい父さんと母さんだったから。
一番苦しんだのは父さんと母さんの方だしさ。
俺達を道連れにしなかった。
俺はむしろ父さんと母さんを誇りに思ってる。
いや、分かってんだーー。
そんなのはただの綺麗事だって事。
でも俺は父さんと母さんが好きだったから。
人に騙されてばっかりで、事業にも失敗して。
嘘の一つも付けない父さんと母さんがさーー。
好きな人間は、いつまでも永遠に好きでいたいんだ。
いつまでも味方でいてやりたいの。
だから、かなり綺麗事かもしんないけど俺やめたの。
文句言って生きてくのはさ。それより楽しい事見つけた方が良いじゃん。
『明日は必ず来るんだ』って思うと楽しくなるだろ?
それに俺には次郎がいる。
世の中捨てたもんじゃ無いよ。
俺らみたいな兄弟を住まわせてくれた人間もいるんだし。
秋ジイーー、
いろいろありがとうな。」