紅梅サドン
「マスリカ……??
……カリスマ!!」

雪子がすっとんきょうな声を上げた。

「自分は『結婚相談のカリスマ』だって言いたかったんじゃない?

村田婆さん『まとめたカップル100組』って、豪語してたからね。

まあ、ある意味ではカリスマなのかもしれないねぇ。


またね、雪子。
明日九州行く前に、今日は秋ジイとセックスでもしとけ!」

ルノーが出て行く。


次郎は雪子の顔を寂しそうに見つめた。

「ーーー雪ちゃん。九州に行っても元気でいてねーー。」

そうつぶやいて玄関を出て行った。


僕等は玄関にポツンと残された。


すると雪子が静かに息を吐き出し、部屋に戻ると再び玄関に姿を現した。


馬鹿デカいスーツケース。

「雪子さんーー、明日、九州に行くんじゃあーー?。」


「ーー秋さん、秘密にしていてごめんなさい。

私、“今日”九州へ立ちます。」


雪子はそう言うと玄関に置いてある、自分の白いヒールに足を入れた。


僕は固まったまま、何一つ言葉が出て来ない。



< 304 / 311 >

この作品をシェア

pagetop