紅梅サドン
スーツケースを引きずる雪子の背中が見える。


照りつける太陽の中を、何度もサンダルでつまづきそうになりながら、雪子の背中を追いかけた。


汗が体中から吹き出してくる。

汗を拭う手のひらも汗で染みている。


僕は雪子の背中に捕まり、こちらを向かせた。

雪子が振り向く。

僕は息をゼイゼイと上げてーー言葉を腹の中から引っ張っり出した。



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