紅梅サドン
「ーー何だと?またお前ら嘘付き兄弟の仕業かーー。

何してくれてんだよーー?お前ら。」


電柱の影に隠れた嘘付き兄弟が笑う。


「私は秋さんのそばに居たいから、離れませんケドーー。


前に言ったでしょ?

雪女は愛した男のためなら、とことん尽くすんですよ。

しつこいくらい、離れません。

それに、さっき玄関で秋さんに言った事は本当です。

だからね、心配ないです“ケド”?。」

そう言った雪子の真剣な顔を見て、僕は気づくと微笑んでいた。


雪子に対しての、心の中に芽生えた気持ちに“名前”が付けられないけれど。

でも僕がさっき雪子に言った言葉に、嘘は無かった。




< 309 / 311 >

この作品をシェア

pagetop