アイ・ラブ・おデブ【完結】
タクシーで向かった病院には笑顔を見せる環がいた

「遥!待っていたわ!」

嬉しそうに華奢な腕を遥に向かって伸ばしたが、遥は無表情で入り口に立っていた

ベッドサイドの椅子に座っている白人男性が立ち上がり遥に座るように促す

「笹原さん…先程は電話で失礼を致しました
こちらへどうぞ…
環…また明日、来ます
それでは…」

と挨拶をして病室から足早に出ていった

遥はゆっくりと近づき、ベッドサイドに立った
その顔には悲しみの色が濃く表れている

「そんな泣きそうな顔をして…
大丈夫よ…ちょっと睡眠薬の量を間違えただけ
昼過ぎには起きれたのよ
心配しないで頂戴
それよりも…今夜は入院をしなくてはいけないの…
一晩、付き添っていてくれるかしら?
あなたが傍にいてくれればよく眠れそうだわ!」

遥が断らないことを前提ですべての物事が進められていく

遥はその表情だけでなく心の中までを固く凍らせ、頷く事さえしなかった
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