アイ・ラブ・おデブ【完結】
次の日、退院の許可が出た環は遥に荷物を運ばせて自宅に戻った

自宅のソファに寛ぐ環は、ミシェルの入れたコーヒーを口にしながら満足そうに笑っている

昨夜も一睡もせず、遥は遠く離れてしまった小夜のことを考えていた

…もう成田に着いたんだろうな…
マサと会えただろうか?
飛行機の中で泣いていたんじゃないだろうか…
こんな風に傷つけ、悲しませるとは…嫌われてしまったかな…
ずっと傍にいると約束をしたのに…

「環…もう帰るよ
それじゃあ…」

ソファから立ち上がり、部屋のドアに向かおうとする遥に笑い声が追いかけてきた

「うふふ…うははは~
どこへ帰るというの?
あなたのいる場所は…ここよ!
何か勘違いをしているのかしら?
遥は私と共にここで暮らすのよ」

環の言葉に振り返り、冷たい視線を投げつけた

「環…悪い冗談は止めてくれ
あの時とはもう…違うんだ
日本には仕事もある
これ以上、離れている訳にはいかない」

「うふふ…それは…店のこと?
それとも…あの子猫ちゃんのことかしら?」
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