アイ・ラブ・おデブ【完結】
別れを告げる人
久しぶりに日本の空気に緊張している頬を少し緩めた
もう3ヶ月も離れていたから季節は冬を迎えてしまった

今度はいつ日本に戻るのだろう…分からない…

自分が選んだ道は正しいのか…
きっと間違っている
けれどこの選択しかない…
そう…僕には大切な人を守るにはこうするしかないのだ

帰国した最大の目的は恋人に別れを告げるためだ

もしかしたら…いや、絶対に泣かれてしまうだろう…

泣かれてしまったら…僕は…耐えられないに違いない

だが、君を守るためにはそうするしかない

…たとえこの心が壊れようと必ず君を守るから…

この3ヶ月の間、呪文のように言い聞かせてきた言葉を唱える

異国の地から連絡をしておいた弁護士は、店をマサ名義する書類を準備しておいてくれた

マサは怒るかもしれないが奥さんと一緒に店をやっていけばなんとかなるだろう

不動産屋にマンションを退去する連絡も引っ越しの手続きも帰国前に手配してある

後は荷物を仕分けて祖父と母親に会えばいい
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