アイ・ラブ・おデブ【完結】
「っ!し…慎太郎さん!?
ど…どうして…あなたまで…」

周りの白人のドライバー達に溶け込み、トランクを開けながらにこやかに出迎えたのは花園慎太郎だった

「驚いてくれましたか?
サプライズは人生のスパイス…なんて誰かが言ってましたね
お疲れでしょう…
トニーさんが夕飯を作って待ってます
美味しい料理を食べてゆっくりしましょう!」

驚きっぱなしのまま、トニーの店に着いてしまった

「オー!サヤ!」

恰幅のいいトニーが勢いよく厨房から飛び出して、小夜を抱き締めた

少しよろけながらトニーを受け止め、練習してきた挨拶を口にした

『また会えて嬉しいです
私の力になってください』

たどたどしく口にしたフランス語はトニーを笑顔から真剣な表情に変えさせた

…あれ…間違ってた?
変な意味になっちゃった?

不安になった小夜に早口で何か捲し立てた

「ちょっ…ちょっと待って…
トニー!ゆっくり…ゆっくり」

ポケットから手に入れたばかりのスマホを取り出し、翻訳ソフトを起動させようとした

「小夜さんを応援するから安心して…
ハルは必ず元の場所に戻ると信じているよって…」

後ろで見守っていた慎太郎が日本語に翻訳してくれた

「…メルシー…トニー…」

溢れそうな涙を拭いお礼を伝えた

その後、テーブルに案内された小夜達はトニーの料理を限界までお腹に納めた
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