アイ・ラブ・おデブ【完結】
「どうして…ですかね?
まあ…研究のため…今後の資料作りとでも言いましょうか…
お気になさらずいてください」

「小夜!!
慎ちゃんは昔、フランス人の彼女がいたんだって!
口説くために喋れるんだよ
それにこっちの事情にも詳しいし…水先案内人は必要だよ
ヤツの…魔王の牙城に乗り込むんだから!
まあ…いても邪魔にはならないんじゃない?」

…でも、仕事とか…家族とか…
いくら年末年始だとしても…
大丈夫なんだろうか…
人の恋路に首を突っ込んでいる場合じゃ…

なんだかよく分からない状況だが、今の小夜にはそれ以上深く考えられなかった

仕事が始まる正月明けまであと1週間…小夜に残されたタイムリミットまでのカウントダウンは始まっていた

「小夜…この後はどうするつもり?
携帯だって繋がらないんでしょ?」

自分の気持ちに素直に従ってここまで来たが、この後どうするかなんて明確な計画はない

一度だけ連れて行かれたあの高級マンションで遥を待ってみる

トニーが調べた遥の新しい店に行ってみる

その二つくらいしか想い描いていない…しかもどちらも遥に会える確証はない

パリにいない可能性だってある
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